コツコツ重ねた女装道
2016年9月11日
コラム
丁度1年前、もうすぐ東京を離れ長野へUターンしますー!なんて想いをコラムにしていましたが、すっかり長野で落ち着いてしまいました。
長野での生活、最初のうちは東京に比べるとかなりゆったりとした時間の流れ方だと新鮮に感じていました。
ゆったりと過ごしているのに、あっという間に時間が流れてしまったようにも思い、長野のせいなのか、歳のせいなのか、何にせよ不思議な気分です。
この一年、バブリングもボランティアとして支えてくれる新メンバーも増えましたし、各種イベントの開催、代表のテレビ取材等、幅を広げつつコツコツと活動を重ねている実感があります。
コツコツといえばなのですが、僕自身もコツコツと(超スローペースでしたが)活動を重ねてきたものがあるのです。
それは、、、
女装なんです!
こんにちは、お久しぶりのタケルです。
突然の急展開でびっくりかもしれませんが、そういえば、いつか、どこかで、自分の女装についてコラムにしてみたいと思っていたのです。笑
年に数回と数は多くないですが、チャーチャーというドラァグ名でちょこちょこイベントに出させてもらったりしていたのです。その中でも一番ひいきにして頂いていたイベントが先月5周年を機に最終回となりました。
ショーのネタを作って、地道に練習を重ね、時に助け合ってと、まるでスポーツ(言い過ぎ)のような楽しさを味わせてもらい、また、チャーチャーらしさを作り上げてくれたイベントだったので、それなりに思うところもあり、女装で一筆です。
僕が初めて女装と対面したのは、通称パンコ(フルネームは不確かですがサイパンパイパンパパンノパンコ)でした。
当時19歳、浪人生として上京した僕はゲイとしても東京人としてもデビューしたてで、受験生という身でありながら本業はそっちのけで新たな土地、出会い、文化を楽しんでいたのです。
その新世界の中心がバブルバブルというアーミー個人HPのオフ会(やがてイベントバブル→バブリングへと転進します。)でした。
そこで出会った人達とゲイパレードに参加しようということになり、パンコ宅で集合し仮装したのです。
初めてみるパンコのパンコ姿に衝撃を受けました。ただの女装ではなく「ドラァグクイーン」なんだという単語も初めて知りましたし、そのドラァグの独特のメイクや、ボリューミーなドレスに見てるだけでもドキドキしました。
ただの仮装パーティーノリで参加したのですが、初めてみるゲイの軍勢にも、こんなに仲間がいるんだと興奮しました。しかもゲイでも各ジャンル色々すごいすごい。笑
(写真:タケル−奈穂−パン子)
この日、パンコ達といることは、当時の僕にとって、びっくりとワクワクの連続。タクシーの乗車拒否(停まりかけてかけてからの加速スルー)も初めて経験し、パレード中ランチに立ち寄った表参道の某ファミレスでも入店拒否。理由は、不自然で人目につくから、なのでパンコのカツラを外して頂ければ入店可能ですと言われ、パンコ姉さん「この格好でカツラ外している方がどう見ても不自然でしょ!?」とごもっともな反論。どんな逆境にも怯まず立ち向かう姿に(なぜか)格好良さを感じ、(なぜか)ドラァグが神格化していっていたように思います。
それからしばらくは色々なイベントで神々のドラァグショーを楽しむようになり、「気がついたら塗っていた。」というわけです。
こうして文章にしていると、当時の自分がどれほどに阿呆で単純だったのかと、恥ずかしさとチャーミングさを感じずにはいられません。。。
女性になりたいという気持ちは全くありませんが、ドラァグに魅了されていったのです。
「ドラァグとは」についてアレコレ書けるほどのものではないので気になる方はネットで検索してみて下さい。
ただ、こうして自分も「塗る」ようになって、プライベートには少なからず影響がでました。
当時何年もお付き合いさせて頂いていたパートナーがいたのですが、女装に関してあまりいい顔をしなかったのです。
ゲイとして男性が好きなのにパートナーが女性のように振舞っていくことはよく思わなかったようでした。女装が直接の原因ではないものの最終的にはその方とはお別れをしました。
その後も女装とはお別れできていない僕でしたが、女装の友達には、彼氏ができたから女装をやめるというような人もいました。
他にも、いい感じの人はいるが女装であることは隠している人、そもそもいい感じの人すらできない人(よくある)、営業先の地方で雑多に漁る人(もはや女装無関係)。
ともかく「女装出会い系問題」は女装アルアルで今宵も女装勢の悲鳴が聞こえてきます。
僕自身ゲイであることは基本オープンですが、女装であることをゲイの人との出会いの段階で伝えることはなかなか躊躇いがありました。ただ、仲を深めたいと思うなら伝えておきたい内容でもあり、試行錯誤もしていたように思います。
女装がそれほどに、自分らしさの大きな部分になってしまっていたということなんだなあと、たった今びっくりしています。笑
結果として、今は理解あるパートナーとも巡り会え、時間が合えばショーも見に来てくれますし、家でも楽しく衣装チェックをしてくれます。喧嘩も多いですけど、こうした自分らしさの部分を受け入れてもらい、その時間を楽しく共有できるということにパートナーへ心から感謝しています。
すっかりどうでもいい話をもっともらしく書き上げてしまいました。
長々お付き合い下さった方、失礼しました。そしてありがとうございます。
書き出しにも書いた通り、僕は長野で生活していますが、現在このパートナーと一緒に住んでいます。住んでいるところは実家です。
実家には祖母、両親がいます。
ゲイカップルが3世帯で同居しているというのはまだなかなか珍しいことだと思います。
理想が叶ったという面もあれば、現実なんとか試行錯誤して同居しているという部分もあります。
今年のカミングアウトデーイベント、「1011イチゼロイチイチ」のテーマが「家族」ということで、こんなカタチもありますの一つとして、恥ずかしながら、うちの場合を皆様に見てもらうことになりました。
「吉田家のカタチ」として展示のひとつになり、僕だけでなく家族からの視点も載るようです。
10/10来られる方はよければ見てみてください~~☆
特設サイト
http://npobr.net/1011/
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