こんにちは。網谷です。2022年も残り1ヶ月ですね。
実は僕、社会的養護経験者の若者と2018年10月に普通養子縁組をしています。
戸籍上の親子になって、4年が経ちました。息子は当時、20歳でした。
息子と出会ったのは、僕が現在勤めているブリッジフォースマイルのプログラムで、時期は2015年2月、僕が働き始めて1年目の年度末でした。その後、彼が児童養護施設を出てからは退所後支援として月1回ほどのペースで会っていたのですが、2017年の9月に職場の寮から突然いなくなり、僕は行方不明者届を警察へ出すことに。翌年の7月、被害者として警察にいるとの連絡が入り、1年ぶりに再会しましたが、そこから数ヶ月でいろいろなことが起こり、養子縁組に至ります。
いつだったか、ガードレールのない道をひとりで歩いているときに電柱が目に入り、「後ろから自動車が追突してきたら、この電柱に挟まれて死ぬな」という想像をしました。僕はそれまでずっと「死にたくない」という感覚が分からず、明日死ぬかもしれないと思って生きてきたのですが、車と電柱に挟まれて死ぬ想像をした際、今の息子が30歳になったらどんな風に生きているのかを見てみたいと願い、生まれて初めて「死にたくないな」「長生きしたいな」と感じました。
たまに「養子縁組をした相手がその子なのは何故か」と訊かれるのですが、様々な理由や背景はありつつも、価値観を変えてくれた人だからだと思っています。
この4年間は、本人も大変だったでしょうし、僕もとても大変でした。「ひとり親ってこういう気持ちなのかな」「児童養護施設の職員や里親って大変だな」と日々思います。想像もしないトラブルが次から次に起こるので、自律神経失調症になったり、僕が家出することになったり、とんでもない毎日を送っていましたし、これからも大変なことはあるのだろうと構えてはいます。
ただ、僕にはずっと、話を聴いたり助けてくれたりする人がたくさんいますし、息子は息子なりに、じたばたしたり投げ出したりを繰り返しながら少しずつ成長しているように見えていますし、とりあえず今はまだ、ふたりとも生きているので、これからも周囲に助けられながら生きていくのだろうと思います。
そんな息子と僕が養子縁組をした直後からを映したドキュメンタリー映画『二十歳の息子』が2023年春に公開されます。
http://hatachi.brighthorse-film.com/
特別先行上映の情報はこちら↓
https://pole2.co.jp/coming/9d4158bb-c434-4a2c-9901-5cfb971e9e14
ここまで、きれいに整理して書いた感じになっていますが、
明日にはまた「困った」と言っているかもしれませんので、そうしたら誰かに話を聴いてもらおうと思います。
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