ギフテッド – ポジティブ思考で生きる [後編]

ギフテッド – ポジティブ思考で生きる [後編]

2018年9月26日

カミングアウトストーリー

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今回は心理戦略コンサルタントおよびメンタリストであり、上位2%の知能指数(IQ)を持つ人たちのグループJAPAN MENSA会員でもある山本昌寛(マサヒロ)さんにお話をお聞きしました。(前編から続きます)

子どもの頃はアメリカで過ごされたとお聞きしました。どのような子ども時代だったのでしょうか。

3歳から8歳の時ですね。あんまり記憶はないんですが、現地の保育園へ通っていたので、日本語も英語も日常的に使っていました。アメリカ人の友だちもいたので、適応力は高かったんだと思います。スーパー戦隊ものが好きで、当時アメリカでやっていたパワーレンジャーごっこをよくしていました。

ヒーローものは憧れますね(笑)

そうですね。今でも仮面ライダーは好きで、ヒーローものへの憧れはずっと残っている感じですね。今コンサルをやっているのも、実はそれがベースになっていて、困っている人を救える人間になりたいんですよ。『自分が絶対的な何かのスキルを持っていて、それを使って人を救って去っていく』ってすごくかっこいいじゃないですか。そこに憧れがあるんだと思います。

現在コンサルティングをされているのも、困っている人を助けたいという気持ちが根底にあるからだと仰いましたが、マイノリティのカミングアウトということについてはどのようにお考えですか?

僕のコンサルとしての目標は『心理学を使って人や企業の可能性を広げる』ということです。人は身体とか脳の構造はみんな同じで、違いがあるのは心の問題です。だから、心理学とか脳科学の領域を深く掘って、困っている人にこうすればいいよと言えれば、人も社会も良くなるんじゃないかと思っています。

カミングアウトというテーマについては、前提として『受け入れがたいものを受け入れてもらう』ということですよね。「普通ならこうだよね、でも自分はこうだ」ということの葛藤、マイノリティであることの孤独感とか恥の感覚がカミングアウトというもののベースにあるんだと思うんです。

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マイノリティ当事者が自身の心に持っている葛藤ということですね。

そうです。そしてその『受け入れられなさ』は、実は社会の中にではなくて、自分自身の中にあるのかもしれない。人は世界を自分が見たいように見ている、つまり自分自身の偏見がベースになっているとすれば、それは脳とか心に基づくと思うんです。そこが僕のフィールドなので。

自分自身の偏見と向き合う、ということですね。

偏見とどう向き合うかというと、心理学には『割れ窓理論』というものがあります。かつてニューヨークは落書きが多かったんですが、一回落書きを徹底的に綺麗にしたら、大きい犯罪も減少したんですね。それは、人間にも当てはまります。

どういうことでしょうか?

まず自分自身が自分をどう扱うかによって、周りの対応も変わるんですね。自分がかわいそうだと思えば、周りもそう見ますし、自分が嫌われていると思うと、嫌われてしまう。なので『自分自身が自分をどう扱うか』が大事だと考えているんです。とはいえ、そんなに簡単ではないとも思うのですが。

誰もが自分を尊重して生きられたらいいな、とは思います。

自分らしさを出して、マイノリティであることを隠さず自分らしく生きている人は、自分を大事にしている人なんじゃないかと思います。そうするためには、自分で「これは強いな」と思えるもの、誇れるものを持つ必要があって。

自分らしく生きるには努力が必要で、それはマイノリティだけではなくて、マジョリティも自分らしく生きる努力は必要なんですね。『普通に生きること』は難しくても、自分らしく生きたいとか、大事に扱われたいということについては誰でも一緒なんだろうなと思っていて。それは話しておきたかったテーマではあります。

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カミングアウトという行為は他者との関係性において成り立つものですが、マサヒロさんが仰っているのは、その人の内面の心理学的なアプローチですね。

そうですね。もしマイノリティであることに劣等感を持っていたり「嫌われるかもしれない」と思う場合には『嫌われる勇気※』を読んでほしいと思います。アドラー心理学を解説した書籍ですが、アドラー心理学では周りに認められようという承認欲求は除外していて『自分は自分らしく生きるべきだよね、自分の人生に責任を持つのは自分なんだから』という考え方がベースにあるんです。

(※)『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』 著:岸見一郎・古賀史健 ダイヤモンド社
どのような考え方なのでしょうか。

アドラー心理学の中に、目的論というものがあります。例えば、ある人が犬嫌いだったとして、その理由が過去に犬に追いかけられたからだとします。でも過去に戻って、その追いかけられた瞬間をなくそうとしても無理ですよね。それは原因論なんです。トラウマの原因である過去に思考を置いています。

逆に目的論はなぜ犬に近づきたくないのか、を考えるんですよ。なぜ近づきたくないのかという目的に対することならば、それは未来とか現在に対するソリューションだから、今からでも解決できるんですよ。そういう風に考えないと悩みはずっと悩みのままなんです。だから、未来志向とか現在思考でものを考えるべきだし、そう考えているから僕自身は成長思考だし、後悔をしないのだと思います。

バブリングは自分の抱えているマイノリティ性と向き合って、自分の中である程度消化された後に、場合によってはカミングアウトがあって、大切な誰かとの新しい関係性を築いていく、という考え方です。自分と向き合うということを考えた時、アドラー心理学は役に立ちそうです。

そうですね、「犬が嫌いなの(マイノリティであること)はしょうがない。でさ…」という感じです。

人間の承認欲求をくすぐるのはメリットでもあり、リスクでもあると思います。承認されたいためだけにカミングアウトをすると、悩みは解決しないと思うんです。それは社会に依存する形なんですね。『自分らしく生きる』を保護的な意味で取ると、環境に依存してしまう。ただ、自分自身の強みがあれば、環境に依存する必要はないんですね。ある意味、自尊心を育てるということが大事だと思っていて、自分自身を大事にするという考えを強くしていかないと、社会に依存し続けて負のスパイラルにハマっていってしまうのかな、と僕自身は思っています。

 ホームページ:https://masayamamoto.com
 インスタグラム:https://www.instagram.com/masaya_mentalist/?hl=ja

きちんと自分と向き合って、自分を大切にできるな、と思った先に、大切な誰かにカミングアウトができたらいいのかもしれません。これまでインタビューをしてきた方々にも、カミングアウトをした後に受け入れられるかどうか、はあくまで『相手の問題』だと仰る方がたくさんいらっしゃいました。確かにカミングアウトをして、相手に承認して(受け入れて)もらえることは大変心強いものですが、まずは自分自身がしっかり自分と向き合うということが大切なのかもしれません。マサヒロさん、貴重なお話をどうもありがとうございました。

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