平山裕三

2016年2月14日

コラム

平山裕三

こんにちは、裕三です。

先週の日曜日は、NPO法人ブリッジフォースマイルさん主催の
「感動の話題作『チョコレートドーナツ』をみんなで観て語ろう!」というイベントに、
バブリングのメンバーとして参加しました。

僕たちバブリングからは代表の網谷含めた6人、
他にもやる気あり美さんやEMA日本さん、Love is Colorfulさん、
里親の方々がゲストとして参加し、各グループに分かれて、
映画の感想を踏まえてダイアローグしました。

この映画、名前は知っていたものの、観たのは初めてでした。
邦題の名前のかわいらしさ(邦題『チョコレートドーナツ』・原題『Any Day Now』)
とは裏腹に、内容はとても重く、考えさせられる映画でした。

簡単なあらすじを、B4Sさんのイベントレポートより拝借します。

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『チョコレートドーナツ』は「障がいを持ち、母親に育児放棄された子どもと、
家族のように過ごすゲイの物語」。
1970年代のアメリカ・ブルックリンでの実話を下敷きにしています。
全米で映画祭の観客賞を総なめにし、2014年には日本でも公開されました。

日本でもたった1館からの上映にも関わらず1週間で興収1000万円を突破、
その後も口コミでの客足が止まらず、劇場拡大公開され大ヒットした作品です。
映画の舞台は1979年のカリフォルニア。
シンガーを夢見ながらも、ゲイバーで女装のショーダンサーとして日銭を稼ぐルディは、
ゲイであることを隠して生きる検察官のポールと恋に落ちます。

ルディはふとしたきっかけで、アパートの隣人である薬物依存症の母から
育児放棄を受けていたダウン症の少年・マルコを引き取ることになります。
マルコを守るために、ルディとポールは「いとこ同士」と偽ってマルコを引き取り、
ポールのアパートで3人の暮らしをはじめるのです。ところが――。

タイトルの『チョコレートドーナツ』は、マルコの好物として劇中に登場します。
あたたかく、そしてビターな内容に、あっという間に上映時間が過ぎました。

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作中に印象的なシーンやセリフがいっぱいあるので、是非一度観ていただきたいです。

その中でも特に印象的だったシーンが、
裁判での弁護をしてくれた黒人の弁護士の言葉。

「正義なんてない。それでも闘うしかない」

当時黒人としてきっと色んな差別を受けてきて、
それでも弁護士の仕事をしている彼が言うのが、
そのシーンの文脈も相まってすごく印象的なんです。

僕はどんな場でも基本的にはゲイであることをオープンにしているので、
時には差別的な発言を直接耳にする機会もあります。
だから、「正義なんてない」という意味も共感する部分はあります。

ただ今までの経験を踏まえて自分なりの言葉に表現するならば、
「正義なんてない」ではなく、「絶対的な正義なんてない」。

映画に出てくる登場人物もそうですが、
人はそれぞれ、自分の中の正義は持っているんだと思うんです。

差別する人に正義がないわけではなく、
その人はその人で自分の正義の中で生きてるんだと。

ただ一人一人の正義の意味が少しずつ違ってて、
その自分の中の正義を一生懸命守りながら生きているから、
自分と違う正義を持った人と対峙すると、
拒否反応が出てしまったり、それが時に差別にも繋がってしまう。

でも、より良い世の中にしていくためには、
それぞれの正義のギャップをなくしていかなければならない。
そのためには、差別があったとしても「それでも闘うしかない」。

そんな意味も含んだメッセージだったのかと思いました。

この映画を通してカミングアウトとは、
それぞれが持っている正義感のギャップをなくしていく、
勇気ある手段の一つなんだと感じました。

時に批判の目にさらされることもあるかもしれないけど、
勇気を持ってカミングアウトした先に、
少しずつ互いの正義に立ちはだかっている壁がなくなっていくのかもしれません。

改めて、カミングアウトが持つ意味を知れた映画でした。

その後のダイアローグも含めて、とても有意義な時間を過ごさせてもらったイベントでした。
主催のブリッジフォースマイルさん、そしてご参加いただいた皆様、
ありがとうございました!

–WriterProfile—————————————-
NPO法人バブリング 平山 裕三
1985年生まれ 男性
セクシュアリティ:ゲイ

株式会社はぐくむで【1人1人が本当に幸せを感じられる世界をはぐくむ】
を志に日々邁進。

あるがままの自分で生きることをモットーとし
バブリングの「大切な人へのカミングアウトを応援する」に共感し活動中
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