人生初めてのカミングアウト:みのる

2016年5月4日

コラム

コラム みのる人生初めてのカミングアウトの相手は、数年間一緒に働いた同僚だった。
彼女は5歳年上だけど、同僚の中では年が一番近く、会社の外でも仲が良かった。
サバサバした人で、一般的な女性と比べると恋愛の話はお互いあまりしなかったが、それでもたまにする恋愛話では性別を入れ替えて話をしていた。
彼女には(極力)嘘をつきたくなかったので、出会いとか年齢、何してる人なのかとかの設定はそのまま、でも、性別だけは女性とお付き合いをしていると言い換えて話していた。

数年同僚として過ごした後、彼女が部署から離れてもたまに飲む仲は変わらず、一生よい友人でいたいなと思った。
公私共に尊敬できる人だったから。
2015年10月11日の「カミングアウトデー」イベント以降、バブリングの活動に参加する中で、色々な人のカミングアウトの話や、マイノリティの生き方について聞いたり考えたりする機会があり、一大決心をした、というほどじゃないけど、自分もいつか大事な人にカミングアウト出来たら良いなくらいに思っていた。
2015年の年末、二人で居酒屋で飲むことになった。
三軒目でお互いベロベロに酔っていた。

その時、詳細は忘れたけど、
「この人に、自分はゲイなんだ」と言いたい気持ちと、
「この人だったらきっと受け入れてくれるだろうな」という打算とで、
自分がゲイであることをカミングアウトした。

ゲイとして知り合った人を除いて、自分がゲイだと初めてカミングアウトした経験だった。
彼女は酔っていたこともあり、はじめ「うん?」という顔をした。
その後、「ちょっと!ちょっとだけ!トイレ行ってきます」と言ってトイレに行った。
すぐに帰ってきたが。

理解してくれた様で、なんやかんや話をした後、自分が泣き出してしまい、たしか「今まで嘘ついててごめん」とか「もっと早く言いたかったんだけど」とか言った。
むしろ自分が感情的になってしまった。
彼女は頭をポンポンしてくれて、「もっと早く言ってよ~!」と一言。
男前な女性だなーと思ったし、予想した通り、温かい反応で安心した。

ちょっと落ち着いてから彼女からうけた質問は、
「何で私に言ってくれたんですか?」だった。

それには、
「○○さんだったら、ゲイだって言ったあとでも僕を受け入れてくれそうだったから」
と、本音で答えた。
彼女は
「(ゲイであることを)言ってくれて本当にうれしかった」
「前よりも関係が一歩深まった気がする」
と返してくれた。

店を出た後、一緒に歩いて帰ることになり、靖国通りを西新宿の方面に向かった。
これも酔っ払いのなせる業だが、二人で手を繋いで色んなことを話しながら歩いて帰った。

彼女とはそれから益々関係が深まり、バブルバーに来てくれたり、自分の仲の良いゲイの友達も混ぜて遊んだりするようになった。

大事な人へのカミングアウトを決行した今も、僕の中ではいまだにカミングアウトすることの是非について、結論は出ていない。
カミングアウトをすることなく人生を問題なく生きている人もいると思うし、
また一部だが、カミングアウトをすることで家族、友人との関係が悪くなったという話も聞いたことがある。
カミングアウトについて、本人が慎重に選択することが大切だと思っている。
話は変わるが、生き方の中で気をつけていることがひとつある。
「他人は変えられない、変えられるのは自分だけ」
この言葉は僕の人生のセオリーと言ってもいい。

カミングアウトをして変えることが出来るのは、相手との関係性ではなく、
自分自身なのかもしれないと思う。
具体的には…..どう説明して良いのか、よく分からない….。

でも、カミングアウトで変えられるのは相手の気持ちや価値観ではなく、
自分自身の心への向き合い方だろう。

同僚の彼女へのカミングアウトは成功だった。

彼女とより良い人間関係が築けたこともそうだが、それ以上に彼女へのカミングアウトを通して、前よりももっと自分を好きになれたことこそが成功だったと思える。
それでも、カミングアウトを是非したほうが良いかと言われると、万人に対しては、よく考えて自分の心と向き合ってやるべきだ、と言うと思う。

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