先週に引き続き、奈穂です。
先日、ある方と深くお近づきになる機会がありました。

その方は、40代の女性で、働き方、生き方、女性としての有り方含め、尊敬する先輩の1人です。
以前からお話しはさせて頂いていたものの、あまり飲みに行ったりする機会は無く
プライベートな話しをあまりした事がありませんでした。

仕事で疲れた日の夜、今日はもうダメそうだからあきらめて帰ろうかな…と思っていた時に、
たまたまお話しするタイミングがあったので「いやーもう今日は帰っちゃおうかと思いますー」なんて軽く言ったら
「お、じゃあ軽く一杯付き合わない？」と声をかけて頂き、終電までの短い時間をお供させて頂きました。

飲み始めて数分、乾杯して雑談をしていたら、突然切り出されました。
「ずっと気になってたんだだけど、聞かないまま仲良くなっちゃうのもあれだし、聞いちゃうね、その首と腕、どうした？」

私の首にはピアスの痕が大きく残っています。
腕には私の頭がおかしかった頃の痕が刻み込まれています。

首のピアス痕は割と目につく部分と言う事もあり、
突っ込む人は多いのですが、腕については、何をしたのか一目瞭然なのであまり突っ込んでくる人はいません。

私は、パーソナルスペースが恐ろしく狭く、これまでこういった質問をされる事をすごく嫌がり
必要に応じて、前もって用意している嘘の答えを口にしてきました。
でも、今回の聞かれ方は何故か嫌な気持ちにならなくて、結局、事の経緯を全部話していました。

そして、私の話しを聞いた先輩も「実は…」と、ご自身の事を話してくれました。
心を病んでいた時期がある事や、その時に起きた事、その後どうなって今があるのか。
その先輩はとても大らかな方で、周りから見れば言いたい事をハッキリ言うタイプの方です。
まさかそんな過去を抱えていたとは思いもよらない内容でした。

前述の通り、私は自分の領域に立ち入られる事に対してものすごく拒否反応を起こします。
けれど、この先輩に対してそう言った感情を抱かなかったのは、
私がその先輩の事を好きだ、という大前提の気持ちがあるのはもちろん
「この人ならちゃんと聞いてくれるだろうな」という思いがあったからだと思います。
そして、その思いは、過去があるからこその優しさや人としての大きさを
私が感じ取っていたからなんじゃないかなと思います。

こうやって一人一人と向き合うと、
皆それぞれに色んな想いや過去を抱えて生きているんだと改めて感じます。
セクシュアリティに関わらず、マジョリティと呼ばれる人達もまた、マイノリティの集合体でしかないのだと感じます。

あなたは本当に多数派ですか？
私は本当に少数派でしょうか？

考え方、感じ方は様々ですが、
自分がマジョリティである事は大した問題じゃないと思います。
それよりも、大切な人達ときちんと向き合えている事の方が大切なんじゃないでしょうか？

知らないから、分からないからと拒否するのではなく、
まずは話してみる、向き合ってみる、そうする事で生まれた関係性は
これから先の人生をきっと豊かにしてくれるだろうと私は信じています。

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WriterProfile
大川 奈穂
1978年生まれ　女性
セクシュアリティ：ヘテロセクシュアル

平日昼間はしがない会社員です。
衝撃的な人見知りなので、初めましての時はとっつきにくいかもしれませんが、話すと普通です。
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