十人十色

2016年8月14日

コラム

俊介-十人十色-
バブリングの俊介です。
今回は、バブリングに関わろうと思った想いを書き連ねています。

時はさかのぼって、中学時代の時、僕は人の話を聞くのが好きでした。
正確に言うと、母の仕事の相談とかをただただ聞いていて、
「俊ちゃんに話すと、癒されるわ」とか、「将来、心理カウンセラーとか向いてるんじゃない?」
とか言われていました。
そんなことを言われてきたものだから、高校3年生の時に、大学は「心理学科」に入ろうかと思うくらい、そちらの道を考えていました。

結果的には、統計嫌いから、別の学科に進学しましたが、今現在の仕事は、心理カウンセラーではないものの、人の想いに触れる仕事をしています。
「その人がどんな人生を歩んできて、これからどんな人生を歩んでいきたいのか。」
人生の転機となるような際に、相談をしてもらえる今の仕事に、すごくやりがいを感じています。

「何か困ったことがあったり、悩んだりしたことがあれば、相談してください」
そんな風に日頃、お客様にはお伝えをしています。

でも、人の想いにふれれば、ふれるほど、この世の中には、様々な事情を抱えてる人たちがいると思うようになりました。

今思えば、その多くは「マイノリティ」つまりは、「少数派」ということがゆえの、葛藤や苦しみだった気がします。

もしそれを自己開示しようものなら、「嫌われる」「バカにされる」「冷たい目で見られる」。
そんな風な未来があるのではと思うからこそ、それを言えずに抱えている人たちが多いということに気づきました。

今までにお会いしてきた方の例でいえば、他国籍であるとか、見た目からはわかりづらい障害を持っているとか、僕にとっては、「別にだからといって、何も変わらない」というものでした。
でも、世の中はそうじゃない。特異な存在があると、それだけでバカにしたり、のけ者にしたりする。

それだけの理由で、どうして「偏見」を持たれなきゃいけないのでしょうか。
正直、「偏見」を持ってしまう人のことがわかりませんでした。
僕は、どんな人であれ、受け入れようと思うのに、どうしてそれができない人がいるんだろう、とずっと思っていました。

それもそのはずです。僕は、ゲイという「マイノリティ当事者」なのですから。

自分が「マイノリティ」というだけで嫌われたくない。
だから、きっとおのずと、「マイノリティ」というだけで拒絶するようなことは、自分はしないと無意識に思っていたのだと思います。
「マイノリティ」というだけではなく、人にはそれぞれの価値観がある。
人には人それぞれのいいところがある。あなたには、あなたの色がある。
いつしか僕のモットーは「十人十色」というものになっていました。

だから僕は、人の意見を頭ごなしに否定するようなことはしない。あなたの境遇や存在を否定するようなことはしない。

そんな意識でいるからなのか、何も伝えていないのに、不思議と「安心感」みたいなものを感じてくださるのか、僕に対して、「誰にも言っていなかったこと」を言ってくださる人たちが増えていきました。

「他の人に言いづらいことでも、相談してもらえるような存在になりたい」
そう願っていた自分が、今の仕事をするようになって、加速度的に実現化していきました。

でも、そうやって目の前の人が「秘密」や「言いづらいこと」を自己開示してくださったにも関わらず、僕はどうなんろう?と思うようになりました。

目の前の大切な人に「ありのままの自分」を見せているのだろうか。
適当にごまかして、お茶を濁して、その場をやり過ごそうとすることに、一種の「申し訳なさ」みたいな気持ちが出てきていました。

「フェアじゃない」

そんな風なことを思っていた時に、バブリングと出会い、そのVISIONやMISSIONに触れて、強く共感をしたのです。

VISIONである
「ありのままの自分を表現することができ、あるがままの他者を受け入れることのできる強く寛容な社会」

そして、MISSIONである
「大切な人へのカミングアウトを応援する」

その2つの思想は、まさに自分が理想としている社会、そして、理想としている自分だと思いました。

「この団体の人とお話してみたい」と思い、毎週日曜に新宿のゴールデン街でやっているバブルバーに行ってみました。
そこには、TVで見るおねえタレントとかではなく、見た目は、年相応の30代の男性なのに、メディアにゲイだとフルオープンで露出している方がおりました。
団体のメンバーは、自分と同じくゲイの人や、ストレート(異性愛者)の人が入り交じっていて、かつ、全員、別でお仕事をされながら、団体活動をしている、というじゃありませんか。

ゲイの人って、ゲイの人たちで固まって、2丁目とかで飲んで騒いで、
仕事の話とか好まないし、「人のためにNPOとかやっている人」なんて、まれ中のまれ。
別にそれがいいとか悪いとかじゃなくて、自分の中でのゲイ像がそんな感じの中で(今思うと、だいぶ失礼ですがw)
世にも珍しい人たちがこんなにもいるんだ、と感激をしたのを覚えています。

より団体の活動内容を知ってみたいと思い、2015年10月11日に行われた「カミングアウトデー」にまつわるバブリング主催のイベントに参加してみました。

わずかな時間しかいられなかったものの、トークショーが行われており、そこには「児童養護施設出身の方」が登壇されていました。

施設があることは知っていたものの、リアルな場で出身者の方から直にお話を聞くのは初めてだった故に、その方がお話する体験記は衝撃の連続でした。
そのイベントに参加してからは、児童養護施設出身に限らず、「見た目からはわからないけど、実はマイノリティ」という、僕の友人たちのことが想起されるようになって、同時に自然とこの人たちがもっと生きやすい社会になれたらいいのに、と思うようになりました。

そうして、バブリングのメンバーになってみないか?というお誘いを頂き、はれてメンバーの一員として活動させていただくこととなったのです。

バブリングのメンバーになってからは、自分の中で、先述のMISSIONを常に想起するようになり、カミングアウト数も、それまでの人生では考えられないくらいの頻度で実施しています。
その結果、これまでとは違う景色を見させてもらっています。

その話はまた、別のお話。。。(王様のレストラン風)

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