レズビアン – 大切なのは自分が幸せであること

レズビアン – 大切なのは自分が幸せであること

2016年1月25日

カミングアウトストーリー

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(写真右)

ーーカミングアウトした相手は?
母親です。

ーーいつ頃、カミングアウトをしましたか?
24歳のとき(6年前)にカミングアウトをしました。

ーーカミングアウトしようと思った経緯を教えてください
彼女と付き合って3〜4か月ぐらいのときに、彼女に「結婚したいから親にカミングアウトしてほしい」と言われたのがきっかけです。 いずれ男の人と結婚しないといけないと思っていたので、女の人と結婚ということは考えたことがなかったのですが、彼女に泣きながら言われて、心が動きました。 すべてを口で説明することが難しく感じられたので、手紙に書いて母に伝えました。

ーーお母さまの反応はどうでしたか?
母は宗教をやっていて、男と女が一対になることが神様が喜ぶという考えでこれが母にとってとても重要なことなんです。 そういう事情も分かっていたので、ネットでキリスト教のゲイの人の話を調べて、手紙の中にそういう事例を出したり、同性愛とは・・・といったことも書きました。母がわかりやすいかな。という言葉を選んで8枚ぐらい書いて直接渡しました。 でも次の日もその次の日も連絡がこなくて、3日目ぐらいにメールが返ってきたのですが、「お母さんには理解できません。お母さんは色々考えましたがこれはカルマだと思います。」と。 母は自分の若い頃の業が娘(=私)に出たと考えたようでした。お母さんが悪いと思う、罪を償わなくてはならないと思う、と。 その後、直接話に行ったのですが、最初から聞く耳を持ってくれませんでした。(女性と付き合っていくことは)自分で決めればいいけど、お母さんは理解できないよ、と。

ーー厳しい反応だったのですね。。
はい。 付き合っていた彼女も落ち込みました。これまで彼女も私の母のことを慕ってくれていたので、もう無理だよね・・・となり、彼女とも1〜2か月の間に関係性が悪くなっていきました。 彼女もお父さんにカミングアウトしたのですがうまくいかなかった。親が反対するんだから諦めたほうがいいということになって、別れることになりました。 同時に仕事も忙しくて鬱みたいになっていったんです。 そのうち仕事も続けられなくなったため、実家に戻って、療養しました。母は同性愛は受けいれてくれなかったのですが、それ以外は優しくしてくれました。

ーーカミングアウトからいろいろなことがマイナスに働いてしまったのですね。。。とても辛い時間でしたね。。

はい。でもその後は体調も徐々に回復し、薫子(=前回のカミングアウトストーリーに登場した大石薫子さん。國清さんの元パートナー)と出会いました。 薫子との出会いを通じて、心を癒すツールである「ヒーリング」というものに出会いました。 薫子にヒーリングをしてもらう中で、徐々に心の傷が癒され、自分自身と向き合うことができました。 また、私の中では宗教の存在が大きく、同性愛は神に許されない行為だと思っていたため自分自身のセクシャリティを認められませんでした。 そんな時、薫子が貸してくれた「神との対話」という本を読んで考え方が180度変わりました。 「あなたの魂の声に従いなさい」という言葉。「自分を裏切ることが一番の裏切りである。」という言葉。 それらの言葉が私の中にするすると入ってきて、私の縛られていた心がどんどん自由に解き放たれていきました。 私は「このままでいいんだ、ありのままの私でいいんだ!」と心の底から思えて、初めて自分のセクシャリティを認めることが出来ました。 そしてそれによって自分自身を愛し、自分に自信を持つことが出来るようになっていきました。 それから宗教とも距離を置き、どんどん自由になっていきました。 また、そのとき薫子が誰にでもありのままにカミングアウトしているのを見て、私も兄弟や友人、職場の人など、あらゆる人にカミングアウトしていきました。兄弟もみんな受け入れてくれました。

ーーとても良い流れがあったのですね。その間、お母さまの中では何か変化がありましたか?
母には何度も手紙を書いたり、本を渡したりしたのですがわかって貰えず、平行線のままでした。ただ父は「お母さんはああいう感じだけど、お父さんはどういうものが理解しています、自分の道を進んで下さい」と私を理解してくれました。 もしかしたら母自身が自分を受け入れられていないのかもしれません。母自身が「自分のせいで子供たちを苦しめてしまった」と、自分を責め続けているんです。 何年もかけてわかってもらおうと努力をしてきましたが、母の考えは変わらず、努力するたびに私は母の言葉で傷つきました。 今は無理にわかってもらうことはしなくていいと考えるようになりました。自分と向き合えていないから、もうそれは母の問題。私がどうこうするべきでもないし、わかってもらえないと人生終わりということでもない。お母さんはお母さんでいいじゃないの、と。 お母さんには感謝していますし、とても尊敬しています。 私がこのような考えに至ったのは薫子の家族や職場の人たちに恵まれ、周りに満たされているからかもしれません。

ーー改めてお母さまにカミングアウトしたことをどう思っていますか?
カミングアウトは自分をいかに尊重するかということ。ありのままの自分を表現したい、そうやって生きていきたいと思っています。 それで受け入れてもらえなかったらそれでもいい。要は自分が幸せであること。私が自分で表現することが重要です。受け入れてもらえなくても、次のストーリーが待っていると考えています!

ーーこれからカミングアウトしようと思っている人に向けてアドバイスをお願いします。
外にカミングアウトすることがすべて自分を尊重していることに繋がるわけではなくて、自分の内側の声を聞くことが大切かと思います。 自分の中の小さな自分が何を言っているか、何を感じているのか感じ取れた時にタイミングが来るし、いろいろな想いをこんこんと聞いて聞き尽くしてOKをあげて、自分にそれでいいよ、とマルを出してあげることで絡まった想いが解ける。 自分の声に耳を傾けて、どんな自分でもいいよと。まずは自分で自分を受け入れることが大切だと感じます。

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