ゲイ – 両親へのカミングアウト(理解と受容)
2015年12月30日
カミングアウトストーリー
ゲイです。
2015年10月にLGBTの関西レインボーパレードがあったのですが、それにNPOとして参加するために帰阪した際伝えました。
(※EMA日本…同性婚が認められる社会を目指すNPO法人。2014年2月設立 http://emajapan.org/ )
正面切ってカミングアウトは難しいじゃないですか。きっかけとして匂わせようと「ちょいちょい言っとこ」みたいな感じだったんですよ。EMAのことを言ったのはカミングアウトの半年ぐらい前に父親が東京に来た時に。ボランティア的にサイトをいじってます、みたいな話になって、EMA日本のサイトを見せたんです。
父は超リベラル(笑)。その時はへーぐらいな感じで、めっちゃ驚いていた感じではなかったけど、逆にリアクションが薄かったので、若干平静を装っていた気がします。
多分。ただ母は週一ぐらいでよく電話してくるので、全部は出ないですけど(笑)。その時にEMA日本に関わっていることは伝えてますね。その時にはなんで同性婚みたいな話にはならなかったですけど「そんな事(NPO)より本業の仕事をもっと頑張らんかい」的な軽いお小言は常々言われてました(笑)
終電近くに地元の駅に着いて、 両親が車で迎えに来てくれたんです。そこで最近どうなんという話になった時に、母が明日は何なん一体、と。それで、LGBTっていう人たちがいて、そのお祭りをNPOとして手伝うねん、と。
母は僕が帰省するとお墓参りをさせたい人で、結局日曜の朝行くことになったんですが、土曜のスケジュール(パレード)はどうにかなんないのかと。LGBTとか言うてるけどあんたもそういう人なんかと。お墓参りのスケジュールの話の中でそんな話になりましたね。
確か嫌そう〜な(笑)感じでした。LGBTであってくれるな感、みたいな感じが出てた気がします。聞き方とかなのかな、あと表情とか。
「せやで」と。
ちょっと間があったような。変な間合いがあって、そういう事情で墓参りは土曜は無理で、あんたら暇だったらパレードこーへんと誘いました、踏み込んで(笑)。結局両親は予定があって来なかったんですが、パレードの会場までは父が送ってくれました。
新幹線の乗り場に送ってくれる帰りの車の中で、もうちょっと話しました。どう思ってんねんと。
カミングアウトを正式にした日は気分が高揚していたし、すっきりしつつも後味の悪さもあり、パレードの準備の事が気になっていて当日の夜はそれ以上話さなかったので。
(ご両親へのカミングアウトと、車中の会話の様子は今川さんのブログで紹介されています!)
すっきり感だったと思いますよ。言いたいこと言った、みたいな。
一切なかった。息子がゲイであることをどう捉えるかは彼女の問題であり、そこは私の問題とは切り分けていたというか。多分なんですけど、それに言ったからといって親子としての根本的な関係は変わらないであろうみたいな確信みたいなものがあった。いわゆる大阪のおばちゃん気質なので、思い悩むような人ではないと思っていたので。のんきな人だし、大丈夫であろうみたいな感じ。
申し訳ないという感情は全然なかったです。母が孫が欲しいという感情があるのはわかっているが、それも彼女の問題なんですよ。彼女の望みは彼女の望みであって、子供として母親の望みを叶えてあげられればそれに越したことはないけれど、僕にとっての絶対的義務ではない、というか。親子ではあっても人格は別人なので、ソコって自分以外の人を思い通りにコントロールする(無理な義務を背負わせる)って原則できないじゃないですか。
あとは「正当化」の根拠としては、自分は、中学や高校の時にネットとか無い環境で一人で、セクシュアリティの問題と向き合い決着をつけた訳で、人生経験を相当積んできたいい年した大人である彼女にとってソレを受け入れる事くらいできやろ、すぐには無理やけどインターネットもあるしやな、みたいな(笑)。母親にとって息子(娘)の問題はより我が身のことの様に感じることなのかもしれませんが、他人ごとではないにしろ自分がセクシュアリティの問題と直面する程度は相当低いわけで、別にきっと乗り越えられるはず。彼女にはハンドルできるはずだし、してしかるべきであるという考え方、普通に考えてそうじゃないですか。
10代の子供ができることが、大人にできないはずがない。これは一般論として言えることで、なおかつ、うちの親は特に大丈夫という考えがあった。それに、いますぐ理解してほしいとも思わないし、カミングアウトをする上で、期待値は下げてました。共感は期待してない。事実として自分がセクシュアルマイノリティであることを理解してくれればいいと思っていたんです。まずはunderstand(理解)。Accept(受容)はすぐにしてくれなくてもいいかなと。
最近は面倒でやってないです(笑)ただ、NHKのLGBT関連番組を見てメールをくれたんですよ。それでわかってくれとるぞ、みたいな安心があった。「私はこれを見ました」みたいな報告があって(笑)
ーーお母様もカミングアウトされたことでアンテナが立ったのかもしれないですね。親にカミングアウトをする上で注意点やアドバイスはありますか?
acceptまで求める人が多い気がするんですよ。それはしてほしいが、それは親の問題なので、最悪受け入れてもらえなくても、それに対して「間違ってる」と思うのは違う気がするんです。まずはunderstandを求めるために、ファクト(事実)ベースで伝える。
母親はエモーショナルな存在。いつも巻き込まれて、僕もとても感情的になるんですが、それは大変なので。まずはこういうものです、と伝える。最終的にacceptまで行くためにも、段階的にまず事実を伝えるのがいいのかも。彼女は感情で生きているので、感情によるコミュニケーションを求めてくるが、こちらはそれに乗りたくない。
さっき自分の問題と母親の問題を切り分けたと言ったじゃないですか。LGBTのパーセンテージ等の冷静な情報は、彼女が彼女の問題を解決するために必要な気がするんですよ。そういう情報を提供することは全力でしたいと思っています。
やっぱり自分も感情的になるのは嫌だと思ったけど、結局帰りの車では感情的になってしまったりしているから、ある程度事実と情報を提供して彼女の中で整理してもらう時間は必要かもしれない。距離が近過ぎるとぶつけないでいい感情をぶつけてしまったりするので。
それはそうかもしれないですね。相談できる相手は必要かもしれない。自分も悩んでいた時に相談できなかったのは辛かったので。LGBTの親の会みたいのあるじゃないですか、そこの連絡先教えようかな。何かなったらここに連絡してみてください、みたいな(笑)
あるかもしれないですね。予期はしてたと思うので。いきなり100言うと拒絶反応もあるかもしれないけど、最初は30、次にまた30と言っていけば最後は残りの40だけ言えば済むので。ソフトランディングの方法はもっとあると思います。こういうLGBTイベントに行きました、とか、最近こういう映画を見ました、とか。本とかも。よかったら読んでみて下さいみたいな(笑)
本日は貴重なお話をありがとうございました。
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